2013年10月22日

先祖が書いた請求書

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(クリックすると大きくなります)

ある案件で中津藩(大分県)の古文書を調べていましたら、たまたま私の6代前の先祖が書いた古文書が出てきました。

「卯十二月」とだけしか書かれていませんが、前後の記述から安政2年(1855)に書かれたものです。

私の先祖は、中津藩城下の諸町で鍛冶屋をしていたのですが、当時の当主の和助(ここでは“かじや和助”と書かれている)が久右衛門に出した請求書のようです。

なぜこのような古文書が残されているかというと、請求書を出した相手が室屋という中津藩を代表する商家であり、その家に伝わる古文書類が『室屋菊池家文書』として中津市立図書館に寄贈されているからです。

このように、自分のところが大したことはなくても、有力な商家や町名主、農民であれば庄屋などの村役人などの家に自分の先祖に関する文書が残されている可能性があるものです。
posted by 仁四郎 at 11:12 | Comment(0) | 歴史一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月17日

龍造寺八幡宮

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龍造寺八幡宮の狛犬の傍らで見つけた肥前狛犬。
本来の狛犬の「阿形」(向かって右側)の前にだけ一体置かれています。
肥前狛犬と言い切ってしまうには、少し大きく、しっかりしたフォルムですが、やはり肥前狛犬なんでしょうね。
台座には何も彫られていないため、いつの時代のものかも分かりません。
社務所を覗くと誰もおられなかったので、詳しいことは分からず仕舞です。
posted by 仁四郎 at 07:06 | Comment(0) | 各地の狛犬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月09日

竿次帳

鹿児島県の奄美諸島など離島地域での家系調査は、非常に難しいものです。

例えば、奄美大島や徳之島・喜界島などの場合、江戸期の寺院といえば薩摩藩の影響下で建立された禅寺だけであり、これらの寺院は全て明治維新後の廃仏毀釈によって破壊されています。

もともと全国の諸藩の中でも、薩摩藩の廃仏毀釈は特に徹底したものでしたが、奄美諸島も例外ではなく、仏教に関わることは破壊尽くされました。

このような事情から、現在存在する寺院は、全て明治以降に入ってきたものばかりですので、家系調査で重要な“江戸期の過去帳”がありません。
同様の理由で墓碑の調査も役に立ちません。

また、過去帳や墓碑に並ぶ重要さを持つ宗門人別帳も、ここでは「宗門手札」という木札を一人ひとりに渡して島民管理の手段としていただけで、村人全員の記録がある宗門人別改帳のような存在はありません。
その他の古文書にしても、村人の名前が一覧できるようなものは、ほとんどありません。

結局、家系調査の三大要素とも云うべき過去帳・墓碑・古文書が全く役に立たないのです。

ただ、地元の博物館の学芸員さんに教えて頂いたのが、『竿次帳』の存在。
この竿次帳とは、明治12年に地租改正のための基礎資料として作成されたものです。

地租改正といえば、全国的には明治6年(1873)から始まったものですが、鹿児島県は西南戦争のために実施が遅れて明治12〜14年に行われたため、竿次帳の作成が明治12年になったということです。

この竿次帳には、@字名A地目B面積C所有者が記録されており、旧土地台帳で十分カバーできるのですが、旧土地台帳より10数年前に作成されただけに、場合によれば一世代前のご先祖の名前が確認出来るというメリットがあります。

さらに、それ以上のメリットは、これが村毎に綴じられ、1番地から順に書かれていることです。旧土地台帳であれば、明確に居住番地が分からなければ、その請求は難しいのですが、当時の戸籍は地番ではなく番屋敷(番戸・番邸)で表示されているため、実際の番地が不明です。竿次帳であれば、村毎に1番地からチェックすることでご先祖の名前が見つかるわけです。当然、当時の地番も判明します。

重要な調査材料がない地域だけに、竿次帳の存在は非常に有難いのですが、一番の問題は、これを所蔵している機関が国立公文書館のつくば分館ということです。鹿児島の離島調査のために、茨城県つくば市まで行かなければならないので、これが一番痛いところです。

by山崎

posted by 仁四郎 at 18:27 | Comment(0) | 家系調査の方法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月02日

清末藩に見る養子率

清末藩とは、長州藩の支藩である長府藩のそのまた支藩(長州藩から見ると孫藩)という特殊な立場にある藩です。
石高は僅かに一万石ですが、この藩は非常に詳しい分限帳と由緒書が残されています。

一般的な分限帳では、家臣名や禄高・役職などが書かれている程度ですが、清末藩では家臣名や禄高の他に年齢が書かれており、さらに父の名前や母の実家名、養子として入った場合には実父母の記載までがあります。

このため、どの藩士が養子であるか、またどの家から入ったのかが分かるのです。

また、一万石の小藩には珍しく、承応2年(1653)の立藩から明治初年まで細かく分限帳が作成されていますので、この200年以上の記録から全藩士の婚姻・養子関係を詳しく分析した方がおられ、詳細な論文を書かれています。

その研究によると、全ての相続例を調べた結果、少なくとも4割前後もが養子による相続であったと述べられています。清末藩の場合は一万石というサンプルサイズが小さいが、藩による差異はあれど、養子相続率は3〜4割に上るであろうとされています。

実に多い数字です。

家系調査を行う過程で、常々養子相続の多さを思っていましたが、考えていた以上の養子率です。

しばしば、「除籍謄本等を見ると養子で入った先祖がいるが、これは実家を調べるべきか養家を調べるべきか悩みます。」と言われる方がおられますが、実は戸籍以前の時代から養子相続は重ね続けられているわけです。
それだけ“家”の存続が絶対視されてきたのですから、ご先祖が苦労して絶やさずに続けてこられた“家”を家系調査では重要視して頂きたいと思うわけです。

調査員:山崎
posted by 仁四郎 at 07:17 | Comment(2) | 歴史一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月09日

福井にて

三重県での現地調査。
ご先祖が住んでいた時代の菩提寺が分かり、早速訪問してみました。

約束もなしに、突然訪問させて頂いたもので、当然最初は玄関先での立ち話でしたが、何とか必死に食い下がった結果、座敷に上げて頂き、ご住職と一緒に過去帳を閲覧することとなりました。

約束なしの突然の訪問で、その日の内に過去帳の閲覧まで辿り着けるケースはあまりなく、実に有難いことでした。厚かましいことですが、三重県内でもかなり交通の不便なところでしたので、一回の訪問で済みそうで大いに助かりました。

今日で調査出張5日目。
三重県から福井県に直行し、今夜は福井市内に宿泊し、明日から福井での調査です。
だんだん疲れが溜まってきました。
posted by 仁四郎 at 20:47 | Comment(1) | 家系調査日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月17日

撮影もだめ、筆写もだめ

ある大学で宗門改帳の閲覧をしました。
ところが、その宗門改帳を撮影することも、内容を書き写すことも許可出来ないということになり、閲覧して必要箇所を暗記するしかないということになりました。

この大学の担当者とは、事前に電話とメールで打ち合わせを行い、閲覧希望リストを提出し、全ての閲覧許可を頂いてから訪問しました。

しかし、現地に着いてから、担当者氏が「実は、宗門改帳の閲覧は禁止されていて、私が間違ってつい許可を出してしまった。」と言うのです。

我が家からその大学まで車で約7時間半ほども掛る遠方なので、前日から宿泊しており、今更閲覧出来ないというのは、とんでもない話です。

その点について、その担当者氏も責任を感じておられ、とにかく”閲覧だけ”許可するということになりましたが、タイトル通り撮影も書き写すことも出来ないということになりました。無断で撮影やメモをされないように、担当者氏の立ち会いの下、「見るだけ」ということです。

これまで撮影は出来ないと言われたことはありますが、メモさえ出来ないというのは初めてのことです。同じ内容のものが出回ることがないようにとのことですが、非常に神経質になっているようです。
調査としては、大きな成果を得られましたが、実に厳しい対応で閉口しました。

この大学には、かなり多くの宗門改帳や五人組帳が所蔵されているのですが、以後は一切の閲覧が禁止されるとのことで、私が最後の閲覧者となりました。

個人情報保護というものが徐々に江戸時代の古文書にまで及んできており、少なくとも家系調査に関してはやり難い時代となってきているように思います。
posted by 仁四郎 at 22:08 | Comment(2) | 家系調査日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月25日

ようやく帰宅

島根→岡山→徳島→高知と続けた調査出張からようやく帰宅しました。走行距離、1659km。
その前の甑島の4日間も入れると、今月は半分近くを出張に宛てていることになり、さすがに疲れました。

ただ、かなり無理をしたお陰で、先月の寝込んでしまった2週間のブランクをかなり取り戻した感じです。

少しだけ休んで、当面は地元の案件の調査に専念したいと思っています。
posted by 仁四郎 at 22:23 | 家系調査日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月24日

大歩危・小歩危

徳島の2日目は、大歩危・小歩危周辺の寺院や個人宅への訪問で、まさしく秘境の地です。調査をしながら、大歩危・小歩危観光ができるというオマケ付き。
途中、カーナビも正確さを失い、山道をいったん間違えば、崖ぎりぎりの道を何度も切り返しながらUターンするという緊張感溢れるもので、これまで調査に行ったところで、最高の秘境のような気がします。

一番の収穫は、明治の頃に徳島から高知県に移住したとだけ伝えられている本家が探せたこと。
単に、高知県に移ったというだけの話だったのですが、最初に訪れた町の最初の訪問先がその本家の流れの家だったという奇跡のような偶然さで見つけることができ、実に感動しました。

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この山の上に本家がありました。


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旧菩提寺から見下ろす景色


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大歩危の景観
posted by 仁四郎 at 09:10 | 家系調査日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月22日

白地城址のホテルにて

倉敷で夕方近くまで古文書の調査を行いましたが、やはり古文書に触れている時が最も安心感があります。墓地調査や聞き取り調査よりはるかに地味ですが、結構楽しいものです。ここでは、いくつかの古文書でご先祖のお名前をみつけました。苗字はありませんが、それぞれに捺されていた印鑑の印影が同一のものでしたので、同じ家の方であることは明らかで、当時の居住地や屋号なども判明。この案件は、これでほぼ終了です。

古文書調査の後、そのまま瀬戸大橋を渡って徳島県の山奥にまで来ております。さらに別件の調査です。昨日まで島根の山奥をうろうろしておりましたが、そこに勝るとも劣らないくらい山また山で、最近はとにかく山ばかり見ているような気がします。

ところで、今夜の宿泊先は旧白地城の址に建つホテルです。
1泊2食でシティホテル並みの料金でしたので、大丈夫かなと心配していましたが、敷地内をうろついていると↓の看板を見つけました。
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もともと現地に一番近いというだけで選んだホテルでしたが、この看板で初めて白地城址であることを知りました。白地城といえば言わずと知れた長曽我部元親が四国征服の野望を燃やした地。讃岐にも阿波にも伊予にも進出可能な四国のへそとも云える当地を手に入れた時、『先づはこの大西さへ手に入り候へば阿讃伊予三ケ国の辻にて何方へ取り出づべくも自由なりと満足し給ひけり』と言ったと元親記にあります。

そして、秀吉の四国侵攻の際の防御の拠点となったのもこの白地城です。

その元親の夢と挫折の地で、今夜は眠れます!
ホテル側は当然意図していませんが、私にとっては最高のサービスです。

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posted by 仁四郎 at 22:48 | 家系調査日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月21日

苗字より屋号の方が通じる地域

島根県の現地調査4日目。

既に絶えてしまった同姓の家の墓が森の中に建っているのをたまたま発見しました。
なんと、その墓碑には戦国時代の祖先の由緒書のようなものが彫られていたのですが、戦国時代はある城の城主であり、当時は苗字も違っていたことが判明しました。かなり薄気味悪い場所でしたが、十分な成果です。
現地調査4日目にして結構な手応えを得ることができました。

探していた宗門改帳の所在は、今日の段階では不明なままなのですが、これについては教育委員会や郷土史家の方にお願いし、ここで一端は調査を終了。資料と頭の中の整理をすべき段階に入ったかと思います。

ところで、島根県の調査は今回が4回目なのですが、どの地域でも今でも屋号が生きていました。屋号というのは、別に商家だけでなく、農家でも持っているものです。

特に、今回の地域では苗字より屋号で話した方が通じやすく、たいていの墓石にも屋号が彫られていました。

苗字で○○さんの家のことで・・・と言うより、今福屋とか口羽屋さんのことで、と言った方がどなたでもすぐに分かってくれます。若い方はどうかは知りませんが、残ってもらいたい文化だと思います。

さて、今夜は倉敷市泊りです。
明日は、別の案件で倉敷での古文書調査の約束を取り付けています。
倉敷の案件は、これが2回目の現地調査ですので、なんとかこれで決着を付けたいと思っています。

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倉敷美観地区
posted by 仁四郎 at 20:51 | 家系調査日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする